「スカラマシュのストーリーが知りたい」という理由で、久しぶりに原神を触ったら楽しかったので感想を書きます。
今の自分を感情を書きとめておきたい!という類の感想なので、現在実装されているシナリオ(~スメール間章)のネタバレががっつりあります。
CONTENTS
前提
原神はcv.木村良平に釣られてVer.1.1~1.2のころ(2020年10月くらい)に始めました。タルタリヤは良きcv.木村良平でしたし、ゲームそのものも圧倒的なパワーを感じて楽しかったのですが、2020年末にグラブルに待ちに待ったサンダルフォン(リミテッド)が実装されたことで、そちらに全力投球するため自然と他ゲームからは離れていきました。
原神は知性的で理性的、なんというか『ちゃんとしている』キャラクターが多いと感じていました。私はいわゆるクソガキキャラを好きになりやすいので、原神のキャラクターはみんな好感を持てるけれど特別どのキャラが好き!とかはありませんでした。ですが、ちょうど触っていた時期の期間限定イベントで初登場したスカラマシュはこの作品では珍しくクソガキのにおいがしてなかなか気になる存在でした。
その後もちょくちょく原神プレイヤーの友人知人に「スカラマシュ好きそう」と言われることがあり、自分でも「なんか好きそうだな…」と感じていたので、スカラマシュが放浪者としてプレイアブル化されたときには念のためにログインして確保しておくなどしていました。
直接再開した理由は、グラブルの古戦場通話をしていたときにその話をしたところ、「(スカラマシュをひいたなら)スメールまでやろうね」と言われたからです。ちょうど知らない作品に触れてみたいと思っていたタイミングでもあったので、じゃあやるか!と現PCに原神をインストールしました。
それが今月初旬のことなので、約2年半ぶりの復帰になるのかな?私と原神のこれまでの関係はそんな感じです。
原神が下手
原神といえば元素反応!元素爆発!の派手なバトルですが、私がスメールクリアまで使っていたパーティはタルタリヤ・凝光・ベネット・鍾離という元素反応を理解していないことが丸わかりのメンバーでした。シンプルに原神が下手!
でもなにもわからないまま殴っていてもシナリオは読めるよ…ということを伝えたくて、ここに書き残しておきます。
稲妻
いきなりエンディングの話から始めてしまうのですが、万葉の亡き友人の神の目に稲妻のテーマである『永遠』が重なるラストシーンが原神で一番ぐっときた場面です。ずっと神の目を持ち歩いていた万葉が最後にそれを置くのも、雷電将軍の一太刀から旅人を守るために輝いたところも好き。
雷電将軍(影)の心を深く傷付けたのは死別と喪失ですが、死によって必ずしも『永遠』が失われるわけではないことが故人と生者によって証明されるの、ラストシーンに相応しくて大大大好きです。
神の目を奪われた人々の描写、心の欠落による悲哀が静かに伝わってくるものだったので、クリア後に再度訪ねると前向きな近況が聞けるところもよかった。
珍しく敵対した神だった影も、伝説任務では別の側面が見られてよかったです。え、影ちゃん…。
スメール
偉大な先代を持つ未熟な二代目というポジションが好きなので、ナヒーダ…好きだ…と思いながら読んでいました。最後に先代が存在ごと消えてしまって驚かされましたが…。
途中の繰り返される花神誕祭といい、最後のこれといい仕掛けが面白い国でした。後述のスカラマシュもそうですが、不可逆の仕掛けによる取り返しの付かなさが好き。
セノのビジュアルが超好みなのですが、クリア直後にお誕生日が来て、メールとTwitterでかなり愉快な素顔を知ってしまい戸惑いました。オンオフの切り替えができてえらい。
スカラマシュと放浪者
作りかけの神のところのかっこよさ、巨大ロボットというロマンからの、必死に神の心を取り返そうとして地に落ちるシーンでがっつり心を掴まれました。
雷の神の心を必死に取り返そうすることもそれでみじめに地に落ちることも、雷神の人形という出自とそこから始まったこれまでの人生の苦しみから全く抜け出せていないことのあらわれそのもので、好きなキャラクター概念すぎてすっっっごく良かったです。
我執に囚われまくっている感情!!!!!みたいなキャラクター、好きに決まっています。
ただ雷神、丹羽、子どもと、『三度裏切られた』と表しながらも、これまでの認識がひっくり返されたときに『じゃあ自分自身を存在ごと消すことでみんなに違う人生を歩んでほしい』と一瞬で思い切ったのもたしかにまた彼の側面で、怒りもまた情の深さゆえというか、彼がたたら砂の人々を今でも大切に思っていることがはっきり伝わるように描かれていて、そこも同じくらいよかったです。
彼の一番好きなところは炉に身を投げ、世界樹に身を投げ、それでも生きているところです。
最後は復讐することにもされることにも覚悟が決まっていて、そのあたりはやはり原神のキャラクターらしいと感じました。知性が高い。


心ある者が人ならば、彼は人とは呼べぬ者である。 心なき者にも悲しみと喜び、苦しみと愉悦があるならば、彼はもっとも人に似た人形である。
原神(Genshin)公式Twitter
彼の人生の全てがこれらの言葉に詰まっていて、とくに「あなたの人生に現れた人は、水滴が蒸発するように消えはしない」がとても好きです。彼の人生の苦しみでもあり救いでもあると思うので。
学者と作家のたたら砂の話を聞き流しながら歩いていくラストシーンも、過ぎ去ってしまったものは取り返しのつかないこと、今はもう遠い物語であること、それでも彼の人生は良くも悪くも続いていくことがしっとりと染み込んできて効きました。
璃月編でも感じたけれど、原神の長命の者と通り過ぎていったものの描き方の塩梅がめちゃめちゃに好き。
そういえば放浪者を選んだ神の目が風で万葉(丹羽の親族)と同じ属性なこと、彼が神の目を人の心臓の位置(かつて丹羽の心臓を埋め込まれた装置を身に着けた位置)に付けていること、色々想像できて良いです。待機モーションからして内心嬉しいんだろうな…。
彼が『名前は人生で最初の贈り物』だと思っていること。その彼の名前を付けさせてもらえたこと。これからの彼の人生という旅に幸あれと思わずにいられませんでした。
名前、和名にしましたが、本人がスメールを気に入っているようだったのでスメールっぽい名前でもよかったのかも。
スメールを気に入っているの、彼なりにナヒーダに恩を感じている部分もあるだろうと思うとかわいい。
放浪者のお話、想像以上に私好みで余韻がぐるぐるしています。遊んでよかった~!